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2006年12月25日 賃貸価格

 久しぶりにブログを再開。写真は長野自動車道「姨捨IC」から写した千曲市のようす。
 ここまで晴れ渡る日(11/25)は珍しいでしょう。

20061225-1.jpg

 
 先日、不動産鑑定士3次試験同期で知人の黒沢泰氏が最近発行した2冊の著書を贈ってきていただきました。書籍名「固定資産税の評価に役立つ土地の調査実務」と「私道の法律・税務と鑑定評価」、黒沢氏の執筆意欲と熱意にはいつも脱帽させられます。
 今年の夏にある市役所で打ち合わせをしていたら担当者が黒沢氏の著書「固定資産税と時価評価」を使っているので聞きましたら「画地計算がこの本でよくわかるようになりました」との話。
http://www.gyosei.co.jp/home/books/book_detail.html?gc=5106600-00-000
 今回の「私道の法律・税務と鑑定評価」プログレス発行も実務的でとても参考になります。私は不動産に関する書籍の購入には非常にどん欲で無駄と思えてもつい買ってしまいます。というのはすぐに絶版になってしまうことが多いから。
 不動産鑑定士の書いた本は実務的という魅力があるのかもしれません。
 ところで、先日、懇親会で仕事先の方から「土居敷という地目の意味がわからなかったので調べていたら内藤さんのホームページにたどり着き、とても参考になりました」と言われ、自分のホームページが少しは役に立つこともあるのだなと思いうれしくなりました。 そういえば自分も死滅した専門用語を探すのに苦労した経験がありました。そこで現在使われない消滅した登記上の言葉を探してみるのも面白いなと思い、いろいろ調べてみました。
 その第一弾は「賃貸価格」、この言葉、人によってなつかしい響があるようです。
 現在の全部事項証明書には載っていませんが、農地の古い閉鎖登記簿を見ると欄外にこの記載を見つけることができます。
はたして賃貸価格とは?
 従来税務署が地租の課税標準を決定し登録する土地台帳事務をしていましたが、昭和25年7月税制改正があった影響(シャウプ勧告)からその事務(注)が登記所に移管されました。
 昔の土地台帳(今の登記)は地租を徴収するための課税台帳であったため賃貸価格の記載があったようで登記簿を見れば納めるべき固定資産税がわかるのですから便利だったことでしょう。
 土地台帳の始まりは明治初期の地租改正。明治6年7月28日に地租改正条例が公布され、課税標準が土地の収穫高から土地の価格となり、税率は地価の3%でした。現在、1.7%(固定資産税1.4%、都市計画税0.3%)の公共団体が多いですけどこのほかに住民税や健康保険料などを納めなければなりませんので一概に重税感があるかどうかはわかりません。重税感が強いようでしたら一揆が起きるでしょうし。
 文献(土地台帳の沿革と読み方)を見ると昭和22年の土地台帳には賃貸価格・内歩・外歩・等級等が載っています。昭和6年法律第28号により地租法が制定され、地租課税の標準が地価から賃貸価格になりました。この地租法第8条2項には貸主の収得すべき1年分の金額を記載しなさいとなっています。登記簿を見れば農地の等級や収益性までわかったのですね。
 また、この賃貸価格は永久に同じかというとそうでなく10年ごとに改訂(第1回目は昭和13年予定)される規定があったようですが、実際、10年をまたずに1回目が昭和11年、2回目が昭和21年に改正されました。その後、昭和22年に地租法廃止、同年土地台帳法制定、昭和25年賃貸価格廃止の経過をたどります。何年も同じ価格では徴収する側が困ったのでしょう、結局短期間で廃止されてしまいました。今で言えば、地価変動が著しいのに固定資産評価額が何年も同じのは違和感があるのと一緒でしょうか。
 賃貸価格が登記簿に載るのは、昭和6〜25年の激動期、このような登記簿を見ると何かその土地の歴史を感じさせられてしまいます。
(注)土地台帳法等の一部を改正する法律・土地台帳法施行規則
参考文献:友次英樹著「土地台帳の沿革と読み方」日本加除出版株式会社、藤原勇喜著「公図の研究」大蔵省印刷局

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