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2008年08月27日 がけ条例(続)

 栄村秋山郷の屋敷地区付近のようす。写っていませんが写真の右方面に江戸時代、大秋山地区(秋山郷の由来となった地名・天明の大飢饉で消滅した集落)があったようです。
秋山郷(百科事典ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%8B%E5%B1%B1%E9%83%B7

20080827-1.jpg

 検索キーワード5位が「がけ地条例」、だいぶ前にブログ(2006年01月31日がけ地条例)でちょこっと記載しただけでしたが・・・。
 前に「崖を漢字で表記せず、ひらがなで表記するのはどうしてでしょう」と聞かれたことがあり、そのとき「公用文の場合、常用漢字表にない字は使えないからでしょう、たぶん」と答えたことがあります。
 最近、不動産全部事項証明書や要約書の建物の構造表記にも同じようなことがあります。例えば、以前、登記するとき屋根材の表記を「ルーフィング葺」としていましたが、今は「ルーフィングぶき」と。登記は公用文の一種ですし、葺は常用漢字表にありませんのでひらがなで表記しているのだと思います。
 言葉の使い方のみならず漢字の表記も変わりつつあるようです。
常用漢字表
http://www.bunka.go.jp/kokugo/main.asp?fl=list&id=1000003929&clc=1000000068 

さて本題に。
 長野県大鹿村のがけ条例は下記のように規定。
○大鹿村「がけ」における建築物等の規制に関する条例
第4条 がけの下端(がけの下にあってはがけの上端)からの水平距離が、がけの高さの2倍以内(50メートルを超えるときは50メートルを限度とする。)の位置には建築物を建築し、又は建築物の敷地を造成してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。

 簡単に言いますとがけ下に土地があり、そこに家を建てる場合、がけの高さの2倍以内のところは建築制限があることに。
 また、がけ条例と関連がある法律に土砂災害防止法があり、この中で急傾斜地型の警戒区域には下記のような区域指定基準があります。
〃梗佚戮30度以上で高さが5m以上の区域
急傾斜地の上端から水平距離が10m以内の区域
5涎梗价呂硫蔀爾ら急傾斜地の高さの2倍
 (50mを超える場合は50m)以内の区域

 ここのでも2倍に。
 ではなぜ2倍以内なのでしょうか。ちょっと数値の根拠が仕事柄か気になります。
文献(土砂災害防止法令の解説)によると
「(1)急傾斜地の崩壊に関する事項
(イ)表層崩壊に起因する過去のがけ崩れ災害データによれば、以下の結果が得られている。
 (土の到達距離(L)を急傾斜地の高さ(h)で除した値は、全体の99%が2未満になっている。
◆(土の到達距離(L)は、全体の99%が50m未満となっている。
 急傾斜地の高さが5m未満の場合には生命又は身体に危害を生じたものはない。
 また、過去の表層崩壊に起因するがけ崩れの中から、崩壊部分における法肩からの距離を解析したところ、崩壊奥行きの10m以下の累積相対度数は99.6%に達している。」と記述。
 2倍という数値は過去のデータ集積及び分析によりはじき出されたようです。
 長野県の場合、がけ条例がない市町村が多いこともあってか、場所によってはがけ下付近に家がたくさん建ち並んでいることがあります。昔は崩壊がなければそれほど気にしなかったのでしょうが・・・。
 今後、土砂災害防止法による警戒・特別警戒区域の指定が進めば実質的に家が建てられないようなことも考えられる時代になりました。
引用参考文献:磯崎陽輔著「分かりやすい公用文の書き方」ぎょうせい、国土交通省河川局水防課・砂防部砂防計画課監修「土砂災害防止法令の解説」55p社団法人全国治水砂防協会発行

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