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2008年10月01日 筆界未定地の建物図面

佐久市の水田地帯。雲が新幹線の高架と並行して走っているような。

20080930-1.jpg

 地積測量図を話題にしたので次は建物図面ということで。
 昔、筆界未定地(ひっかいみていち)に建つ建物図面を見たことがあります。通常、筆界未定地に建つ建物は、敷地を特定できないので建物表示登記及び所有権保存登記ができません。知人の建物が長いことそうでした。
 ただ、敷地が特定できる場合には可能に。具体的に説明しますと長野市北尾張部842番と942番が筆界未定地だった場合、建物が842番地の上に建っていることが特定できるとすれば登記可能となります。登記できないということは金融機関からの融資が困難であったり、担保設定ができなかったりといろいろな不利益を被るでしょう。建物の固定資産税はしっかりとられますが。
 実務上、敷地が特定できる場合、建物図面に括弧書きで下記のような記載をする必要があります。
(本建物は842番地にある)
 登記上の建物の所在は、もちろん長野市北尾張部842番地であって842番地+942番地にはなりません。考えてみれば当たり前ですけど。
 ところで筆界未定地とは?
 文献によると「筆界未定地とは,国土調査法による地籍調査において,一筆地調査を行った際,土地所有者の同意が得られなかったとき,又は筆界に争いがある等の理由によって隣接する土地相互間の筆界が確認できなかった場合に,当該部分の筆界を「筆界未定地」として処理したものをいう。また,そのほかに,地籍調査の時点で合併があったものとして処理したが,登記所で登記の処理をするときになってその中の一部の土地について,所有権が移転しているときや,抵当権の設定登記がなされたため,合筆の登記ができないことから,筆界未定として処理する場合がある。」と説明。
 ちなみに筆界未定は地籍調査作業規定準則第30条(注1)に規定。
 国土調査法による法14条地図では地番同士を+で結びますが(注2)、法14条地図だけでなく、公図においてもまれに筆界未定地は見られます。
 例えば下記のように、左括弧のみで地番を囲っているような感じ。図では括弧が途切れてますが実際はくっついています。
(842
(942
 これは和紙をマイラー化するときに境界が不明でこのようにしたのか、境界争いがあったためなのか、いろいろな理由があるようです。
 前に20〜30筆くらいが筆界未定地となっているものを見たことがありますが、あまり多いと特定は困難でしょう。筆界未定地でも同一所有者であればあまり問題は起きないのですが、第三者所有だといろいろな問題を引き起こします。
 それだけに隣地との境界は、自分を含めた家族全員が知っておいたほうがいいかもしれません。紛争予防のために。
(注1) 地籍調査作業規定準則(抄)
(筆界の調査)
第30条 筆界は、慣習、筆界に関する文書等を参考とし、かつ、土地の所有者その他の利害関係人又はこれらの者の代理人の確認を得て調査するものとする。
2 前項の確認が得られないときは、調査図素図の当該部分に「筆界未定」と朱書するものとする。
(注2) 下記文献に「筆界未定地に対する地籍図の取扱いについては,例えば,1番,2番,3番の各土地が筆界未定地の場合には,当該土地の地籍図の適宜の箇所に(1+2+3)のように表示する取扱いとされている(地籍図の様式を定める総理府令(昭和61・11・18府令第54号)別記第1部2一筆地調査事項の表示参照)」と記載。
引用参考文献:中村隆/中込敏久監修・荒堀稔穂編集代表「Q&A表示に関する登記の実務第1巻」42p,43p日本加除出版株式会社

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