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2008年10月03日 地図混乱地域

中野市永江涌井地区(2008/9/24撮影)から。ここからの景色は好きでよく写真を撮ります。稲刈りが本格化の季節に。

20081002-1.jpg

前回の筆界未定地と少し似ているのが地図混乱地域。
この地図混乱地域とは?
 文献(Q&A表示登記の実務)によると
「(1) 現地における土地の位置及び区画が変更されているにもかかわらず,登記手続がなされていない場合
 これに該当する事例としては,
 ‥效浪良法又は土地区画整理法に基づき一時利用又は仮換地の指定まで行ったが,土地の配分又は清算金等の関係で紛争が生じたために,正規の換地処分,あるいはそれに伴う登記手続がなされないまま,事実上事業が中断されて現在に至っている地域
◆\亀の法手続によらない私的な土地改良,あるいは区画整理のように,数人の関係者が事実上土地の交換をしたり,あるいは土地の位置及び区画を変更した地域
 川の氾濫,あるいは山崩れ等による災害後,土地所有者等が任意に土地を区画して占有したことによるもの
ぁ\鏤中に軍用地として強制買収された民有地が,戦後境界不明のまま返還されたために,元の境界の回復が全く不可能となった地域
(2) 登記手続はなされているが,登記に対応する土地の位置及び区画が公図と現況とで全く相違している場合
 この最も典型的な事例が宅地造成を原因とするものである。省略
(3) 公図自体が作製の当初から全く現地の土地の位置及び区画を反映していない場合
 省略」と説明。

 地図混乱地域の原因は、業者が農地を造成分譲途中に倒産してしまったり、私的な土地区画整理が途中で挫折してしまったりといろいろ。高度成長期の昭和40年代はこういった造成分譲や未完成区画整理地が多く見られたことが影響しているのでしょう。
 区画整理地では仮換地の指定を受けた段階ですと、公図は造成前の状態のまま。仮換地関係書類(仮換地指定通知書・仮換地案内図・仮換地位置図・仮換地明細図)はあり不自由しませんが、換地処分を受けないと区画整理事業は完了したことになりません。
 業者が造成分譲完了前に倒産した地域の公図をとりますと区画は大きく、形状は不整形、地目は畑や水田のままですが、現地は道路が整備(未舗装)され、一定の宅地が整然と配置されていて公図だけだと想像もつかないような地域があります。私の義兄の住んでいる土地(川崎市宮前区)が長年これでした。その後、国土調査が入り解消されたようですけど。
 長野県の別荘地には、昭和40年代に造成し分譲前に頓挫した、あるいは造成途中で開発者が倒産したものが数多く見られます。今では信じられないような水道のない"潰れ別荘地"があちこちに。
 それに造成が完成し表示登記が終わり分譲完了したにもかかわらず家が一軒も建っていないようなものも数多く。もっともこの場合は現地と公図がほぼ一致しますので地図混乱地域とはいいませんが・・・。
 前に大正時代に土地改良か区画整理をおこなった水田地帯があって、調査しましたがどういう事業だったのかよくわかりませんでした。どうも土地改良法の前身である耕地整理法(明治32年法律第82号)や水害予防組合法の前身である水利組合法(明治41年法律第50号)関連の土地改良だったのかもしれません。私的な土地改良なんて今の時代考えられませんね。
 ちなみに地図混乱地域では建物の表示登記や所有権保存登記ができません。売地があってもこういった状況ですと買う人は、金融機関の融資が受けにくい状況から慎重になるでしょう。
 私が子供の頃、造成分譲した土地(別荘)が地図混乱地域のためかいまだにそのままというのも不思議な感じがします。40年も経っているのに。
引用参考文献:中村隆/中込敏久監修・荒堀稔穂編集代表「Q&A表示登記の実務(中)」146p,147p日本加除出版株式会社、細田進/鈴木猛著「土地改良の理論と登記実務」日本加除出版株式会社

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