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2008年10月15日 工場抵当(完結編)

またまた信濃町から。

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 工場財団1〜4や工場抵当(番外編)のブログ記載の後、また知人(不動産鑑定士)から相談があって「工場に限定した場合、工場抵当法2条との兼ね合いは?」と聞かれました。工場抵当というキーワードで検索すると私のサイトにヒットしたからだとか。少しはこのブログを読んでいる人がいたようです。
 そんなわけでまたまた工場抵当の話題。しつこいのでこれで最後にしますが・・・。
 工場抵当法2条では下記のように規定。
工場抵当法
第2条 工場ノ所有者カ工場ニ続スル土地ノ上ニ設定シタル抵当権ハ建物ヲ除クノ外其ノ土地ニ附加シテ之ト一体ヲ成シタル物及其ノ土地ニ備附ケタル機械、器具其ノ他工場ノ用ニ供スル物ニ及フ 但シ設定行為ニ別段ノ定アルトキ及民法第424条ノ規定ニ依リ債権者カ債務者ノ行為ヲ取消スコトヲ得ル場合ハ此ノ限ニ在ラス
2 前項ノ規定ハ工場ノ所有者カ工場ニ続スル建物ノ上ニ設定シタル抵当権ニ之ヲ準用ス

 実務上、現場にある機械器具類を評価の対象とするのかどうか判断に迷います。
 前回のブログ(工場抵当番外編)では工場以外の建物の場合、従物と判断される機械器具には抵当権の効力が及ぶと説明していましたのでちょっと説明不足だったようです。言われて気づきました。
 私の考えですが、建物が「工場」として利用され今後も同じように利用が見込まれる場合で同法2条の適用が明かである場合は、同法3条の機械器具目録が法務局に提出登記されていなくても機械器具類に抵当権の効力が及ぶと思います。3条目録はあくまで対抗要件という趣旨かと。
 工場抵当は、一般の民法の抵当権よりもその効力の及ぶ範囲が拡大されていることに留意する必要があります。したがって、当事者間で機械器具類は別という認識がはっきりしていたり、リースやサブリースの機械類であったりすると抵当権の効力が及ばないのは当然でしょう。
 ただ、対象工場が休止状態であったり、所有者の話が聴けなかったり、工場のような倉庫のような建物であったりと工場なのかどうかすらもよくわからないことがあるかと思います。それに建物の種類が作業所や工場兼事務所、店舗兼工場だったり、2棟の内1棟が工場でもう1棟が倉庫だったりと迷う場面もいろいろ。
 そこで工場とは?
 工場抵当法に規定する工場は、第1条で下記のように規定。
一 物品の製造、加工及び印刷、撮影の施設
二 電気、ガスの供給施設
三 放送施設
 文献(全訂不動産登記書式精義下)によると一には「一般に化学薬品、食料品、織物類その他日用品雑貨類を製造する場所はもちろん、製氷所、養蚕所、養鶏所も物品を製造する場所として工場であるし、また選鉱又は精錬業のみをするために使用される場所、染物工場又は水産物の冷凍所、給食施設のようなものも、いずれも物品を加工する場所として工場であるが、単に物品の販売の目的に使用する場所とか物品の貯蔵のための倉庫は、単独には工場とは言い難い。次に「撮影」ノ目的ニ使用スル場所」とは、映画会社の撮影所とか又はいわゆる写真撮影のために使用する写真館をいうのであって、いわゆる映画を観客のため映写する映画館はこれに含まれない。」と説明。
 製造業や印刷業ですと工場抵当法の対象となるようです。
 現地調査の際、新品、かつ、稼働中のような機械があるとちょっと気が引き締まります。どう判断したか問われるだけに、この緊張感がいいのかも。
引用参考文献:香川保一編著「全訂不動産登記書式精義 下」659p,660p株式会社テイハン
参考文献:「工場抵当法に係る機械器具等の評価要領」千葉地方裁判所評価事務研究会編

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