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2011年07月08日 地すべり資料館

 兵庫県西宮市仁川百合野(にがわゆりの)の地すべり跡のようす。
 当日、訪問しましたらメインの地すべり資料館が定休日。前々から訪れたいと思っていただけにがっくり。でも地すべり跡が公園になっていて、景色を見ながら一周することができました。また、変わった対策施設(井桁よう壁)を見ることができ満足して帰りました。
仁川百合野(にがわゆりの)地すべり資料館
http://web.pref.hyogo.jp/hs04/hs04_1_000000023.html

20110708-1.jpg

 この付近は、阪神・淡路大震災(H7.1)によって発生した地すべりが、がけ下の分譲地13戸を襲い34人の方が亡くなるという大災害となった場所です。亡くなった方々のご冥福をお祈りいたします。

 文献(斜面防災都市)によると「以前から、水道施設の建設のため、幅の広い支谷を埋立てて、深さ約20mに達する厚い盛土が作られており、主にこの谷埋め盛土の部分が崩壊した。(略)斜面の勾配は比較的緩く、18〜20°であった。こうした緩傾斜の斜面が完全に崩壊した第一の要因として、盛土の内部が豊富な地下水で満たされていたため、盛土の内部で全般的な液状化が発生したことが指摘されている。」と説明。
 それに、この地すべりは高速(数m/秒)であったため逃げる暇がなかったようです。
 訪れて驚いたのが、いたるところに地下水排水のためのパイプがあったこと。常時、水の流れているパイプ(ストレーナー管)が数多く、茶色に変色しているものも目立ちました。 参考サイトによると集水ボーリング工6,916 本ですから地下にいくつもの川が流れている感じにさえ思えます。今回、地下水排水の重要性について再認識しました。
 文献(家族を守る斜面の知識)に「コラム 千年盛土の作り方」が紹介(釜井俊孝著・石清水八幡宮)されていまして、昔の人の知恵はすごいものだと改めて感心しました。

「(略)最近、本脇殿の遺跡において、土師器(はじき)で埋め尽くされている谷埋め盛土が発見されました(幅約20m、深さ約3m)。土師器の形式から、ここは平安時代から中世にかけての『産廃処理場』の一つであったと考えられますが、興味深い点は、この谷埋め盛土が流水による浸食を除けば、ほとんど変形していない点です。周辺には崖崩れの跡も多く、1596年の慶長伏見地震を筆頭とする数回の大地震のいずれかで崩壊していてもおかしくありませんが、そうした地震災害にもこの谷埋め盛土は耐え抜いたようです。(略)土師器を含んだ盛土は、含まない盛土に対して、約100倍も透水性が良い事がわかりました。(略)つまり、この谷埋め盛土は地下水が滞留しにくい構造を持っていたため、地震の際にも間隙水圧が上がりにくく、強度が低下しなかったので、約1200年間も盛土の原型が保存されてきたと考えられます。」なお、詳細は同文献を参照してください。
石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)
http://www.iwashimizu.or.jp/index/toppageh2002.htm
<参考サイト>
「地すべり資料館と阪神水道企業段甲山調整池」見学
http://suido.ipej-knk.jp/expcolumn/08_09/0805-73kabutoyamat.pdf
<引用・参考文献>
釜井俊孝・守随治雄著「斜面防災都市-都市における斜面災害の予測と対策-」73p,理工図書(株)
佐々恭二著「西宮市仁川で発生した地震時高速地すべり」−事例報告−京都大学教授 防災研究所
土木学会地盤工学委員会 斜面工学研究小委員会編「家族を守る斜面の知識〜あなたの家は大丈夫?〜」58p,(社)土木学会

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