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2016年04月02日 古い分筆

またまた長野市山間部から。休憩するにはもってこいの所です。

20160402-1.jpg

土地の地番にイやロがついていることがあります。
例:長野市北尾張部842番イ、842番ロ
 昨年、地元の大地主さんから相談があったのでついでに昔の地番の付番方法(分筆登記の実務)を調べてみました。
 地租改正事業に伴う地番の付番方法では下記規定があります。
「地租改正条例細目」(明治8年5月30日地租改正事務局議定)−括弧は筆者の追記
第4条 一旦番号を定むる後売買譲渡等により切歩するもの譬(たとえ)は一番地を二箇に分裂せは一番地の内イ号ロ号となし尚亦(なおまた)右イ号を分裂するときは一片は元号に据置他の一片は一番地の内ハ号と揮毫すへきこと
 明治8年当時は分筆のことを分裂と言っていましたから面白い表現ですね。
 上記の分筆は下のような感じ。
 1番 → 1番イ号 1番ロ号
 1番イ → 1番イ号 1番ハ号
 いまでもイ、イ号、ロ、ロ号といったカタカナのついた地番を見かけることがあります。
 
 明治32年になり下記取扱いが出されています。
「地租条例施行上取扱方」(明治32年4月10日大蔵省訓令秘第349号)
第1条 一筆の土地を分割して数筆と為したるときは当初一筆たりしときの番号に一二三四棟の符号を付して各筆ノ番号と為すものとす但し本番に符号ある土地を分割するときは其一筆には当初の番号を存し他の各筆には本番ノ符号を順次増加したる番号を付するものとす
 上記分筆は下のような感じですが、当時は電話やFAXもない時代ですから、イやロはまだまだ使われていたような気がします。
 1番 → 1番の1 1番の2
 1番の1 → 1番の1 1番の3
 明治32年当時は分筆のことを分割と言っていました。分裂よりいいですね。

 昭和6年地租法当時の地番の付番方法も上記と同じです。
地租法(昭和6年3月31日法律第28号)
第11条 地番の新設、変更は左の各号に依るへし
二 分筆したる土地に付ては分筆前の地番に符号を附して各筆の地番を定むるものとす但し本番に符号ある土地を分筆するときは其の一筆に従来の符号を存し他の各筆には本番最終の符号を追ひ順次符号を附するものとす
五 地番の符号は一、二、三・・・・を用ふるものとす

「土地台帳事務取扱要領」(昭和29年6月30日民事甲第1321号民事局長通達)を前回ブログで掲げていますが、特に上記地租法の付番方法に変更は見られません。
第6 地番を定めるには、左の各号によらなければならない。
 四 分筆した土地については、分筆前の地番に符号を附して各筆の地番を定める。但し、本番に符号のある土地を分筆するときは、その一筆には従来の地番を存し、他の各筆には、本番の最終の符号を追い順次符号を附してその地番を定める。
 七 地番の符号には、一、二、三等の数字を用いる。

 最近、見かけませんが昔、地番には”1番の1の1”のようなものがありました(改訂土地家屋台帳法解説)。
 50番の1の1を分筆(50番の2がある場合)すると→50番の3 50番の4
 50番の1の2を分筆(50番の2〜4がある場合)すると→50番の5 50番の6

上記が古い分筆の歴史です。実務上あまり役に立ちませんが、同業者の話のネタにはなるでしょう。
 イロのついた地番は明治時代から大正時代につけられたものと思われますので歴史を感じます。
<引用文献>
表示登記研究会編「分筆登記の実務」pp.50〜54,社団法人民事法情報センター,平成6年
新谷正夫・川島一郎「改訂土地家屋台帳法解説」pp.26〜27,平成2年復刊版,テイハン

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